なら夢鹿BRASSの「もぐもぐタイム」

音楽のあとに、笑顔のハーモニー

練習が終わったあと、ホールに響いていた音がすっと静まり、
代わりに聞こえてくるのは、子どもたちの笑い声と「おいしい!」という声。
なら夢鹿BRASSでは、ここ最近、練習の終わりにちょっとした“もぐもぐタイム”が生まれています。
練習のあとの楽しみ、「もぐもぐタイム」って?
たくさん吹いて、たくさん聴いて、集中して練習したあと。
「ふぅ〜」と一息つくその時間に登場するのが、おやつや軽食の差し入れです。
袋を開ける音や、湯気の立つ香りが、なんとも幸せな空気をつくります。
おやつは、いろいろ。
子どもたちが大好きなスナック菓子に、ジュース、時にはからあげくんが登場することも。
演奏でお腹をすかせた子たちにとって、それはまさにごほうびの時間です。
中には、保護者の方が差し入れてくださるものもあります。
「子どもたち、練習がんばってるからね」と笑顔で持ってきてくださるその気持ちが、とてもありがたく、
なら夢鹿BRASSの活動が地域に支えられていることを改めて感じる瞬間です。

夏にはアイスやスイカも登場!
この夏は特に暑い日が続きました。
そんな中、練習のあとに登場したのは、冷たいアイスクリームとスイカ。
汗をかいて頑張ったあとの冷たいひと口は、まさに天国のよう。
「うま〜い!」「もう一個食べたい!」と笑顔が広がり、
会場が一気に夏祭りのような雰囲気に包まれました。
子どもたちだけでなく、大人のチューターたちも自然と輪に入り、
「今日はいい音出てたね」「次の曲、難しいけどがんばろう」など、
楽しく語らいながらの“反省会(?)”が始まることもあります。
そんなひとときが、練習をただの「音楽の時間」ではなく、「人のつながる時間」に変えてくれています。
おやつがつなぐ“音楽の輪”
なら夢鹿BRASSには、いろんな学校の子どもたちが集まっています。
普段の学校生活では出会うことのない仲間たちが、音楽を通して一緒に時間を過ごす。
でも、音を合わせるだけでは、まだ少し距離があることもあります。

そこに、“もぐもぐタイム”があると、不思議と笑顔が生まれます。
「今日の曲、むずかしかったね」「あのテンポ速くて指が追いつかん〜!」
そんな会話が、おやつを片手に自然とこぼれていきます。
年上の子が年下の子にアドバイスをしたり、
初参加の子が輪に入っていったり、
おやつの時間が、練習では見えない優しい関係を育ててくれるのです。
保護者・大人たちの思いとともに
保護者や地域の方々が差し入れてくださるおやつには、
「おつかれさま」「がんばってね」という思いが込められています。
それを受け取る子どもたちも、自然と「ありがとう」と笑顔を返す。
そんな小さなやり取りの積み重ねが、
なら夢鹿BRASSという“地域のバンド”をあたたかく支えています。

大人たちも、演奏のサポートだけでなく、こうした交流の時間に加わることで、
子どもたちの成長や変化を間近に感じることができます。
おやつを囲みながら、「この子、最初は音出すのも照れてたのに、いまはすごいね」と語り合う姿も。
音楽を通じて、人と人とがつながっていく――まさに地域の豊かさそのものです。
音が止んでも、心のハーモニーは続いていく

もぐもぐタイムは、単なるおやつの時間ではありません。
それは、練習をがんばった自分を労い、仲間との絆を深め、
地域の支えに感謝する、あたたかな交流の時間です。
音楽の練習が「音を合わせる時間」だとしたら、
もぐもぐタイムは「心を合わせる時間」。
笑い声の中に、仲間との信頼と、次の音へのやる気が育っていきます。
今日もまた、音と笑顔が溶け合う、幸せなハーモニーが生まれました。


