この夏、ムジカで取り組んでいる曲の一つが、樽屋雅徳さん作曲の「マードックからの最後の手紙」です。
この曲の背景にあるのは、豪華客船タイタニック号の物語。物語の情景や登場人物の思いを知り、演奏に生かしてほしい――。そんな思いから、みんなで映画『タイタニック』を鑑賞しました。

上映時間は3時間を超えます。「子どもたちは最後まで集中して観られるかな?」と少し心配しながら、映画鑑賞会がスタートしました。
せっかくの映画会ですから、ポップコーン屋さんとフリードリンクも用意!ポップコーンはその場で作りましたが、出来上がるそばから、みんながうれしそうに持っていきます。


椅子に座ったり、くつろいだ姿勢になったり、それぞれが思い思いのスタイルで映画を楽しみました。
元気な場面では、拍手や歓声が上がることも。
「この映画に、そんなに盛り上がる場面があったかな?」


大人たちは少し不思議に思いながらも、子どもたちらしい素直な反応に、思わず笑顔になりました。
しっとりとした場面では、じっと画面を見つめる子どもたち。そして最後のクライマックスの約30分間は、それまでのにぎやかさがうそのように、誰一人言葉を発することなく物語に見入っていました。
映画が終わり、部屋の電気をつけると、ほとんどの子が涙を流していました。立ち上がれないほど号泣する子、友達と支え合いながら泣く子――。
物語の中の人々の思いをまっすぐに受け止め、仲間と一緒に心を動かすことのできる、本当に感受性豊かな子どもたちです。
「あかん、演奏中に思い出して泣けてしまう……」
そんな言葉を聞いて、映画鑑賞会を開いて本当によかったと思いました。
音符を正しく演奏するだけではなく、その背景にある情景や人々の思いを想像し、自分たちの音で表現すること。今回の映画鑑賞会は、子どもたちにとって大切な音楽体験になったのではないでしょうか。
みんなで感じたことが音になったとき、「マードックからの最後の手紙」は、きっと心に響く演奏になると思います。

